深夜に徘徊するかわいい妖精たちのこと・・・

夜な夜な、ホテルの芝生の上を可愛らしい妖精たちが跳びまわるのです。
初めてその光景を目にした時は、闇夜にはずむ、小さな小さな丸い黒い影・・・
『なんやろぅ、あのまるいのん・・・』
時々ひとところにふたつが並び、そして時々重なる丸い影。
丸になり、楕円になって二つの影が重なったり離れたりするのです。
そしてそれは月の明りに照らし出されて・・・
現われたのは、小さなかわいい兎だったのです。

どうしても撫でてみたい衝動を抑えることが出来ずに、
こっそり後ろから忍び寄る。
後ろ向きの兎はまだこちらには気がついていないように思えたのですが、
少し近寄るとその何倍もの距離を跳び離れてこちらの様子を伺うのです。
深夜に兎と鬼ごっこ・・・
『キツネにつかまんなよ・・・』とこっそりと思った夜でした。

冬至が近づくこの時期は、日が差し込むのが7時半頃になるのです。
白く輝く教会に続くその芝生の坂に、可愛らしい足跡をみつけました。
これも、野ウサギの忘れものなのです。
『また遊びにこいよ、おまえたち・・・』