2019年4月

春の花の訪れのこと・・・

今年も安曇野に桜の季節が訪れました。
ここは安曇野池田町の鵜山の桜並木です。
桜越しに望む蝶が岳から常念岳、そして横通岳は
先月から降り続いた雪で、純白のベールを纏っているのです。
昼夜の寒暖差がおおきく、4月にも雪の降ることのある信州は、
4月の半ば頃から見頃を迎えるのです。
ある日突然のように、安曇野の里山や田畑の畦に薄い桃色の綿菓子を、
ふんわりとのせてゆく。
これだけの桜の樹々が存在していたのかと思う程の、その色彩が
眠っていた春の色を呼び覚ますのです。
これからひと月ほどをかけて、白馬、小谷の山間部へとうつりゆく、
そんな儚い、美しい桜の色を追いかけていこうと思っているのです。

そしてホテルに隣接する烏川渓谷緑地では、薄紫の花被片が陽光に透かされて
見惚れる程の美しさをみせてくれる片栗(カタクリ)が満開の時期を迎えました。
日中の陽射しがあるときは、その花被片が上に向かって強く反り返る。
そして夕刻になると傘のように閉じるのです。

東一華(アズマイチゲ)などの早春の植物も、
開いていないとその存在に気がつかないほどの可憐さを持っているのですよ。
東一華の花言葉は『温和』そして『静かな瞳』・・・そんな優しさを感じますね。
白馬村の姫川源流はホテルからお車で50分程。
福寿草と東一華が満開です。そして湿原には水芭蕉も見ごろを迎えているのですよ。
後20日ほどもすると、片栗が花を咲かせるのです。

一生懸命に咲いた花たちを見かけたら、
『綺麗に咲いたなぁ』 『ようがんばったなぁ』と話しかけてあげて下さいね。
草木も花も、心をもっているのです。
たぶん・・・
なんかしらそんな気がするのです・・・

春の雪のこと・・・

カタクリが芽を出して、フキノトウが開いて花をつける頃、
そして芝生も薄く春の緑を纏い始めた4月の初めに、雪が降りました。
ひと晩で周りが真っ白にぬりかえられる、そんな魔法のような出来事が、
ここ信州では、桜の季節にもたびたび起こるのです。
地表が熱を溜めこみはじめる春先は、舗装された道に落ちた雪はすぐに融けるのに、
田畑や森林に落ちた雪は、そのまま装飾されて美しさが引き立つのです。


大糸線の安曇追分駅は、ホテルの最寄の穂高駅から北へ二つ目の駅なのです。
映画『ホワイトアウト』で山を望む景色の美しさから、穂高駅として描かれた駅。
そんなちいさな駅から列車に乗って、日本海方面に向かうのも楽しいものなのですよ。
まだまだ雪が残る山間部を縫うように走る車窓から、
春の陽光が差し込むのをぼんやり眺めながら、
小説を片手に弁当をいただく小さな旅もお薦めなのですよ。
白馬を越えて、南小谷から糸魚川の区間は非電化の区間。
そんな路線を走る一両編成の汽車にも、ぜひ乗ってみてほしいのです。

ティータイム ガルニ
安曇追分駅から中房温泉方面へ車で10分程、安曇野の静閑な森の中に佇む喫茶店。
お店の中にある大きな木の葉の形のテーブル席が、私のお気に入りの場所。
いつか同じようなテーブルを作ってみたいと思っているのです。
店主さんも静かな優しい方なのですよ。
そんな居心地の良い隠れ家で、ゆっくりと過ごしてみるのもよいものなのです。