2019年5月

美しくも儚い山野草のこと・・・

まだ安曇野に移住する前から大好きだった道・・・
小さな美術館やクラフトショップ、
そして素敵なカフェが点在する山麓線が、今は通勤路になっている。
夜勤が明けて帰宅する・・・その道の途中に殆ど毎日のように寄る産地直売所がある。
その毎日のように新しく山野草が店頭に並ぶのを、見るのが楽しくて、そして嬉しいのだ。
その日もクロユリを見つけた。
黒くなりかけた蕾が三つ、
生長した大きさとバランスが合っていないポリエチレンのポットから、ユリ根ごと抜けて倒れているその茎は、蕾をお日様の方に向けようと直角に近い程に曲がっている。
何度かポットに植え替えてみるが、どうしても倒れてしまうのだ。
『このままやったら枯れてまうなぁ・・・』
そして連れて帰ったそのクロユリは、その先をさらに直角に近い角度でお日様の方に向け直し、
優雅な黒い花を咲かせてくれたのです。
『よう頑張ったなぁ・・・』

産地直売所のご紹介
http://www.vif-hotaka.jp/

安曇野は、今まさにいろんな花が咲き誇る。
田圃の畦や民家の庭先には、色とりどりのアイリスやアヤメの花がほんとうに美しいのです。
そして信州は6月16日までの期間、『信州花フェスタ』が開催されているのです。
そんな安曇野に是非遊びに来てくださいね。

『信州花フェスタ』のご案内
https://shinshu-hanafesta2019.jp/

5月23日に、小谷村まで行ってきました。
前回、まだまだ雪に閉ざされていた鎌池は、2週間の時をつかって美しい新緑の世界に姿をかえていたのです。

所々に残る『雪根開き(ゆきねびらき)』です。丸い形がかわいいですね。

そして小谷村に向かう途中の白馬では、今まさに田植えの季節を迎えているのです。

春遅いブナの森のこと・・・

小谷村雨飾温泉から、まだ雪の融けない山道を歩いてきました。
4月になってもまとまった降雪が続いた山間部の集落は、
ようやく遅い春を迎えたような、所々に山桜の薄桃色がふんわりと色を添えているのです。
沢山の雪の重みに覆われた道路は、除雪車が入る事さえ拒絶していて、
道を閉ざしたゲートから目指すブナの森へは、
片道4キロメートル程を歩いてゆかなくては辿り着かないのです。
融雪による幾筋もの水の流れが、大小様々な滝となって流れ落ちるその様は、
野鳥の囀りを搔き消すほどの音となって、薄黄緑色の新芽をつけたブナの森に響き渡るのです。(写真の山は新潟県境の雨飾山・双耳峰なのです。)

目的地は、小谷鎌池・・・
もう何回も通った美しい池畔には、
水面に反映する雪の白と芽吹きの薄緑の季節にしか現れない不思議な現象が、
見られるはずなのです。
『雪根開き(ゆきねびらき)』
一年振りに遭遇する、そんな景色をこころに思い描きながら、
雪上を歩くのも、本当に嬉しいものでした。

数人分のかんじきの跡が残っているのをみとめながら、
そんなすぐ側にカモシカの足跡を発見。
『元気でなぁ・・・人間にみつかるなよ・・・』
などと思いながら悠然と歩く姿を想像するのも楽しいものなのです。

鎌池は、まだまだ1メートル以上の積雪がありました。
そしてその周りには、ようやく新芽をのばし始めたブナの林が拡がっていたのです。
『また来ようかなぁ・・・あと2週間やなぁ・・・』そんな事を思いながら、
フキノトウが芽を出す雪道を、
その時を思いながら、幸せな気持ちで歩いているのです。

 

当館に至る山道は、常念岳の登山口に通じています。
来月辺り、まだまだ残る雪を見にいこうと計画しているところなのです。

水鏡のこと・・・

田んぼに水を張る、薫風香る美しい季節になりましたね。
風が凪いで静かな水面を保つ束の間に、白雪を頂いた山々が映りこむ
その風景をさがしに田圃道を歩いてみました。
ここは北安曇郡池田町の山裾にあり、風景画家の山下大五郎氏の愛した場所なのです。
正午近くの白が掛かり始めた青空に、くっきり線を引く後立山連峰の稜線の美しさに見惚れながら、
縦走した記憶を思いおこしたりしているひと時を、本当に幸せに感じるのです。
これから稲を植え、日に日に少しずつ成長する苗を、大切に管理される農家の方々にも、
感謝の気持ちをずっと持ち続けていきたいと思っているのです。

北アルプス展望美術館(池田町立美術館)では山下大五郎氏の安曇野の原風景の絵画が常設展示されており、
その敷地内からは、安曇野の景色と壮大なアルプスの山々が望めるのです。
http://azumino-artline.net/old/ikeda/2010/07/post_80.php

今年も上高地の開山祭に行ってきました。
昼前から天候が崩れて横殴りの雪が降る、そんな中での式典となりましたが、
自然の厳しさを改めて感じる一日になりました。
写真にある梓川の流れも、毎年大きく変わっているように感じます。
深刻化する上高地の河床上昇の問題等も含めて、
この日は、そのような自然界のいろんなことを考える貴重な一日になりました。